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ゴウ・ホトダのエンジニアリング

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サンレコ2004年10月号のCD連動企画に
「密着!GOH HOTODAのエンジニアリング」というのがありまして。
マドンナやらチャカ・カーンやら宇多田ヒカルやらのミックスを手がけてきた
日本を代表するエンジニアGOH HOTODA氏と、元レベッカのNOKKOさんの
夫婦ユニット NOKKO&GOの曲がデモを元にした制作行程を、
音源つきで追った企画です。

この号を買った当時も「それなり」に凄さを感じていたのですが
近頃ミックスの質を上げようと工夫してきたこともあり、
この企画のことを思い出して久々に引っ張りだしてきました。


結論から言うと、大変刺激を受けました。
ミックスの過程・結果は勿論、その考え方に感銘を受けると同時に、
自分の普段の音との関わり方を考えさせられてしまいました。

最新の機材を使ってもつまらないミックスが多いことに対して
「それは音楽に対する愛情や真剣味が足りないからですよ」
と仰っていたようですが、自分、まさにそれです。

作業の先読みをしなかったり、最終的なミックスの方向に明確さが無いのは
結局都合を優先してしまったり、音に対して不誠実な態度が
無かったわけでないということなのかなと猛省しました。

本来は自由に音楽をやれる以上、
プロ以上に自分の作品に愛情を注げるはずのアマチュアが、
技術やクオリティ、機材ならいざ知らず、
作品に注ぐ愛情、真剣味でプロに負けていては
まともなミックスすら永遠に出来ないに決まっていると、思い知らされました。

かといって明日から即ミックスがよくなる…なんてことはないでしょうが、
音に対して誠実に、しっかりと向き合って作りたいものです。
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と思った次の日にミックスを一日で仕上げるという荒業敢行。
しかも何度もミックスしたデータを全消しして最初から。
最初からすることにしたのは自分なんですけれどね笑。


正直、最後はぐだぐだで、早く直したいですが笑、ひとつ学びました。


GOH HOTODA氏が上の特集でやっていたミックス法で、
メインのパートと、その次に大事なパートくらいに絞って(歌ものなら歌)
ボーカルとベース、ボーカルとドラム、ボーカルとギターだけを鳴らし
2つだけの時でも音楽的に成り立つようにボリューム・イコライジングを調整する、
同様にベースとバスドラ、ギターとドラム、ベースとギター等でも
同時に鳴らした時に成り立つようにしていく、というのを真似してみました。

これは、多くのトラックの中で歌を引き立たせたり、
立体感のあるミックスを目指す際に凄くいいやり方だと思いました。
「どこまで上げればいい?」「どう調整すればバランスが取れるだろう」という
全体を鳴らしながらでは泥沼にはまりやすい部分の基準が明確になり、
同時に、メインパートを大きく聴かせ、周りが一歩引いたような
立体的なミックスをすることが出来ます。

パート数が多い時に特に有用で、音が短時間でサクサクと決まり助かりました。
人数の少ないバンドのミックスや、多少グシャっとした方がかっこいいバンドでも、
飽和感やうねり具合も含めて音楽的に調和するように調整すれば
最終的によい結果が得られるのではないかなと思います。


今回の結果が芳しかったかどうかは…もうすぐ分かります。
正直最後は眠くて、折角マシになったミックスを壊してしまったかなと思います笑。
今思えば、「ある程度音決めをした後」っていうワンフレーズが必要だったなぁ。


リベンジ希望。な曲はもうすぐmuzieのAAAページにUPされることでしょう。