記事一覧

ミニチュアギター疾患

アイコン

宮崎はよく晴れていました。
こんな日にPCの前で一日中インドアに過ごすのもどうかと思い、
思い切り外で遊んできました。




やってることは室内と同じですが。

ファイル 72-1.jpg


中学生の頃、僕は美術部に所属していました。
美術部ってずっと作品にかかりきりって人は非常に稀なので、
毎日部室に来る人というのは少数だったのですが、
僕はその中ではかなり美術室に居座っていました。

何をやっていたかというと…絵とか彫刻とかじゃなくって、
技術の授業で出たラワンの端材を電動糸ノコでカットして
当時初めて間も無かったエレキギターのミニチュアを作ってました笑。


時は流れ、ギターに関する知識、形状把握能力、造形技術の経験値を
当時より積んだ私は、それらをフル動員し、再びミニチュアを作り始めました。

作るのは、いつかどこかのクラフトマンが作ってくれないかと思って
こっそりGraphixにUPしている妄想セミアコくん。

使用する木材は当時のラワンから大幅にグレードアップして、
琴や箪笥に使う高級木材、桐。だって木目が少ないんだもん。
とはいっても5mm厚の薄板なんで安かったですが。
色も白いし切削性も非常によいですし、ブラウンに塗れば
マホガニーっぽく見えそうな木目で、ミニチュア製作に向いているかも。

今回のギターは…設定上はメイプルかスプルースなんだけどね!


当時と違って電動糸ノコとか無いんで、手動バンドソー(?)でラフカット、
それをデザインナイフで目的の外形に大まかに整えて、今回のために買った
パワーグリップの浅い丸刀でアーチをザクザク彫ります。

ファイル 72-2.jpg
こんな感じで、元絵と比べながら、思い描いたアーチの具合を出していきます。
ちょっとしたルシアー気分ですね。
さしづめハンドカーブド・ワンピース桐トップを削り出す達人(?)。

パワーグリップいいですねぇ。学生の頃買わされた彫刻刀とは雲泥の差。
この丸刀を今後プラモで使う機会があるかどうかは微妙ですが、
アーチドトップを削るには非常にいい具合です。


そうして削っていったものに80番のやすりをかけて段差を整え、
さらに120番、240番と番手を上げて表面を整えたものがこれ。

ファイル 72-3.jpg
ファイル 72-4.jpg

どうでしょう?割と自分の中ではうまくいったと思っています。
昔はホーン部分のアーチの膨らませ具合がなかなか分からずに、
残しすぎてESPのホライズンみたいになったり、真ッ平らにしちゃったり
したこともありますが、今回はネック仕込み角度の4.5度を意識して
削ったので、ギブソンの335に近いよーな、さりげなくもしっかりアーチした
ホーンになりました。満足。ほくほく。
っていってどれくらいの人が分かるのかな…笑。
このへんで蓄積されたウンチクが役立っています。


今回はトップのアーチでしたが、まだバックも同じことしないといけないし
Fホールまだ開けてないし…むしろ裏の厚みを落としてないし、
完成にはまだまだかかりそうです。せっかく妄想を3次元にする機会なので
納得いくものを作ろうとは思っています。

どうしようかな?これを原型にバキュームフォーム作戦…というのもいいかも。
薄く作れるし。薄くなりすぎる気がしますが。